1.ワークショップのねらい
”全国各地の医学部・医科大学附属病院では、病
院の合理化を旗印に病院情報システムが導入され、
なかには、インテリジェントホスピタルという看板
をあげているところさえあります。しかし、歯学部
・歯科大学附属病院では病院情報システムの導入が
遅れがちで、システム構築に関するノウハウも流通
していないようです。”
上記のようなメッセージを皮切りに、今回のワー
クショップについて、日本の歯科関係者が参加する
メーリングリスト(dentex-info@dent.niigata-
u.ac.jp)でアナウンスしたところ、9月14日から
24日までの11日間で、76通のメッセージが交
換された。このメーリングリストは、1995年1
月に、新潟大学のお世話で発足し、9月現在で、4
00名を越えるユーザが、大学の垣根を越えて登録
しているが、これまで、このように多量のメッセー
ジが短期間で交換されたことはなく、メーリングリ
ストサーバの過負荷を引き起こす結果となるほどの
トラフィックであった。
交換されたメッセージの中には、今回スピーカー
をお願いした廣瀬先生からの発言をはじめ、全国の
歯学部・歯科大学附属病院(以下、歯科系附属病
院)で、病院情報システムを担当せざるを得なくな
った担当者の、切実なメッセージも含まれており、
本学会のような場でこそ、情報交換の核となるべき
組織が作られる必要があると、痛感した。
本ワークショップは、これまで病院情報システム
を導入・運用してこられた経験をお持ちの、東京医
科歯科大学廣瀬康行先生と、鹿児島大学竹原重信先
生にスピーカーをお願いし、今後この分野で、より
一層緊密に情報交換が行えるようになることを目的
として開催する。
2.歯学部・歯科大学附属病院の特殊性
2.1 診療体系について
医科と歯科の診療体系は異なっている。例えば、
医科では、診断(検査)→投薬→経過チェックとい
う流れで診療が進められるのに対し、歯科では診断
→処置→経過チェックという流れになっている。
病院情報システムにも診療体系の違いが反映され
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