公募企画シンポジウム13 地域包括ケア時代に歯科の情報連携はどうあるべきか

 有病高齢者が急増する時代に対応するため各地域で地域包括ケアシステムの構築が進められている。歯科においても、在宅医療、口腔ケアや摂食嚥下リハ等で積極的に関わってゆく必要があり、同時に医科など関連職種との情報連携も必須となる。また、診療報酬による評価や、在宅医療推進事業として各都道府県の医療計画に基づいた地域連携ネットワークの整備が歯科も絡んで構築されつつあるが、歯科の現場は他施設他職種との連携に慣れていないという現状がある。過去の企画セッションにて、歯科の医療連携に関する様々の取り組みなどを報告いただいたが、地域で顔の見えるネットワーク作り、人材育成、教育といったICT以前の課題が重要であることが浮き彫りとなった。昨年の連合大会で、実際に歯科の訪問の現場、歯科の情報連携の実情などのお話をいただいたが、今回、それをさらに進めて、「いのち・ヒト・夢」という大会テーマに応じて、今回の玉川先生の共同企画と連携して、あらためて歯科の連携について、歯科診療の現場で地域医療ネットに参画された重岡先生より「二つのICT医療連携システム、「h-Anshinむこねっと(はんしんむこねっと)」と口腔がん早期発見「NAVIシステム」に参加して見えてきたこと」と題して実体験をもとにお話しいただきく。続いて日本歯科医師会歯科医療IT化委員会委員長の神田先生より基盤となる「日本歯科医師会の個人情報保護に関する考え方」および日本歯科医師会常務理事の杉山先生より「歯科医療機関における医療情報連携について」と題して、今後の医療連携に向けての方向性をお話しいただく予定としている。現場と異なる立場のシンポジストからお話しいただき、さらなる議論の場としたい。