共同企画5
日本歯科医療管理学会:地域包括ケア時代の多職種連携に必要な歯科情報とは

 地域医療ネットワークに関する報告が増えているが、250有余のネットワークのうち歯科が参画している例は少なく、充分な情報が提供されているとはいいがたい。この領域での歯科情報標準化の立ち遅れが背景にあることも懸念されており、今後のICT利活用を考える上で充分な議論が必要である。  一方、2016年度に厚生労働省は、”歯科情報の利活用及び標準化普及に関する検討会”を通じて、日本歯科医師会に実証事業を委託し、口腔診査情報コード仕様を公開した。数社の歯科ベンダは、同仕様にもとづいてレセプト電算の出力形式に準じたCSVファイルの出力プログラムを開発、さらにCSVファイルをHL7形式に変換してSS-MIX2に準拠したフォルダ形式で蓄積するところまで終了している。加えて同仕様は、学校検診や歯周病検診あるいは日本医師会発行のかかりつけ連携手帳などの項目にも対応できる仕様を備えている。  すなわち、口腔に関する多様な診査情報をほぼ漏れなく格納できる標準仕様が、厚生労働省によって提示されたと言える。  そこで連合大会では、地域歯科医療の現場で必要とされる歯科領域の情報についてあらためて検討し、何を入力しどのように見せるのかを具体的に検討、口腔診査情報コード仕様の位置付けを明確にするためワークショップを開催する。これは、地域医包括ケアの枠組みで多職種連携に必要な歯科情報とは何かを具体的検討が中心である。