「オーガナイザーからのシンポジウムへのお誘いメールより」

<抄録>
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歯科のシステムは、一般開業医のシステムが30年以上前より歯科独自の保険医療
に対応したシステムとして開発されていたが、歯科病院におけるシステムは、施
設数が少ないことと、歯科の一般開業医と異なり、入院があり、多くの医療スタッ
フが、仕事を分担して行なうということで、それに対応するシステムがなかった
ため、この20年近くのそれぞれの大学病院で開発を行ってきた。
しかし、医療をとりまく環境の様々な変化により、求められる歯科システムにも
変化が起こり、また経済環境の変化により開発に掛けるコストを最小限にという
要求が今までにもまして強くなってきている。
歯科の課題研究会では、このような環境の中、歯科の大学病院でオーダーリング
システムが導入されて以来この約15年間、歯科システムの標準化、情報交換の標
準化、それを支える病院情報システムについて、いろいろな事例を含めて、この
学会で成果を発表してきた。
今回は、大会テーマの「質、安全、効率、満足の向上に、どのように寄与したか、
寄与しなければならないか、寄与する(できる)か」にそって、今まで開発され
てきた歯科の病院システムを再検証したうえで、これからの歯科システムに求め
られるものを探る、ことをめざすシンポジウムを企画した。
さらに大学歯科病院に限らず、地域の歯科口腔外科のシステムの在り方や一般歯
科開業医のシステムの考え方などにも話を広げていき、歯科の一般開業医との情
報交換の実装についても考察を加えたい。また、さまざまな医療機器の進歩が、
今まで開発されてきた医療情報システムにどのように組み込まれて、この先の歯
科医療にどのような影響を与えるものになるか、というところにも視点を広げた
いと考えている。
今までのシステム開発の経験から、今後、現場で本当に「必要」なシステムとし
て、歯科のどのようなシステムが求められているかということが少しでも見える
ように、話を進めていく予定である。
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シンポジスト
1.齋藤 孝親  日本大学松戸歯学部
   歯科電子カルテシステム導入の光と影
2.伊藤 豊   北大病院医療情報企画部(歯科診療センタ)
  総合病院情報システムとしての歯科カルテのありかた
3.瀧川 智義   日本大学歯学部
  電子カルテシステムの有効性について
4.玉川 裕夫   大阪大学歯学部附属病院
  歯学部附属病院情報システムは何に貢献できたのか、できるのか。
5.漆原 譲治   (株)ジーシー
  歯科診査における音声認識システムの有効性について


昨年と同様、いろいろな事例を聞いていただけ、今後のよりよいシステムを考え
る場となるのではと、座長を忘れるくらい期待しております。
多くの方に、ご参加いただき、討論をしていただければ、幸いです。


5人のシンポジストの話の中から、 また、その後の討論の時間より、この課題研
究会ができて15年の間に、なにが進歩して、何が問題であるか、どのように見え
てきたかといことを探るために議論を進めて生きたいと思います。


1.歯科病院情報システムが導入されて、病院は、歯科は、どのように変化した
か。
2.今後導入される可能性のある新しい技術
3.利用者の変化について(情報リテラシーに求められるもの、環境変化による
考え方の推移)→時代の変化への適応と普遍的なもの
4.今後の方向性→解決すべき共通の課題


この企画が同様の開発を行っているところにとって、また今後の歯科の医療情報
システムを考える上で非常に有用なものとなるであろうと考え、積極的な討論を
期待します。


以上


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